第29回研究会(2012年3月7日)大規模災害に打ち勝つICTの条件~東日本大震災の復旧・復興と耐災~

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2012年3月7日 第29回研究会

日時 2012年 3月7日(水) 13:30~17:20
(意見交換会 17:30~19:00)
場所 日立マクセル本社ビル 2Fホール
(東京都千代田区飯田橋2-18-2)

プログラム

開会挨拶


『耐災用情報通信インフラの課題』(講演 13:40~14:40)

土木学会・電気学会「ICTを活用した耐災施策に関する総合調査団」が行った調査をベースにして、災害対応のためのICT技術とこれを活用するための地域社会の課題について紹介する。またITU、ISOにおける災害対応に関する取り組みの一端にも言及する。

*ITU…国際電気通信連合 ISO…国際標準化機構

講師

川嶋 弘尚
慶應義塾大学 名誉教授
コ・モビリティ社会研究センター 特別顧問

プロフィール

慶應義塾大学工学部管理工学科卒。工学博士。
日本のITS (Intelligent Transport Systems)の導入・普及に取り組むとともに、1993年より国際標準(ISO/TC204)の策定と普及に努めている。長崎県五島列島において、150台余のEVを導入し、ITSを用いた急速充電装置と観光案内,エコ・アイランドを目指したEMS等を組み合わせた総合プロジェクトのプロデュースを手掛けている。



『東日本大震災後のBCPとITシステムの備え』(講演 14:50~15:50)

東日本大震災以降、多くの企業・組織では災害に強い仕組みや体制構築に向けた取り組みが進められています。ここでは企業・組織の活動基盤にはITシステムが欠かせないことが再認識され、また、被災耐力の向上が期待されています。

これらに応えるITシステムが備えるべき事柄や考え方について、東日本大震災の被災事例を踏まえ、BCP(事業継続計画)の視点から説明します。

講師

岡 信博
株式会社日立製作所 情報・通信システム社
経営戦略室BCP・BCMソリューション推進センタ センタ長

プロフィール

昭和46(1971)年 株式会社日立製作所に入社。
オフィスコンピュータ、ワークステーション、PC/UNIXサーバ等のハードウェア開発及びシステム設計業務に従事。
平成18(2006)年よりBCMソリューション開発を担当。



『東日本大震災からの復旧と災害に対する通信基盤整備』(講演 16:00~17:00)

昨年3月11日に起きた東日本大震災は東北地方に多大な損害を与えたが、その中で通信基盤の復旧、復興は通信事業者として対応すべき第一の責務であった。この発表では、ドコモの通信基盤再構築の過程を大ゾーン化によるエリア復旧、高性能指向性アンテナ、無料衛星携帯電話の貸出を例として述べる。

その後、次に備えての施策を紹介する。それらには、大ゾーン方式基地局の全国配置、基地局の無停電化、衛星システムを活用したエリアの早期構築、災害用音声ファイル型メッセージサービスの開発、緊急地震速報や地方公共団体が発信する災害・避難情報を伝達するエリアメールの更なる活用(およびAndroid端末での実装)等がある。最後に災害時の輻輳対策も議論したい。

講師

栄藤 稔
NTTドコモ サービス&ソリューション開発部 部長
DOCOMO Innovations, Inc. 社長
大阪大学サイバーメディアセンター 招聘教授

プロフィール

現在、NTTドコモ サービス&ソリューション開発部部長として、データマイニング、マーケティング、メディア理解、情報検索等のクラウドサービスに関する開発を統率している。2011年8月よりシリコンバレーにあるDOCOMO Innovationsの社長を兼務し、グローバルなオープンイノベーション創出を目指している。松下電器(現パナソニック)中央研究所にて動画像符号化、ATRではパターン認識の研究を行った。2000年にNTTドコモに入社し、第3世代携帯網におけるモバイルマルチメディアサービスの立ち上げを行う。Appleと協業し、iTunesと互換性を持つドコモの動画像サービスに貢献した(AppleではiPodとなった)。

2002年~2005年ドコモUSA研究所に所長として赴任し、モバイルインターネット、H.264符号化の研究開発を行う。これはITU-T/MPEGのエミー賞団体受賞につながっている。



総会 (17:00~17:10)

閉会挨拶

意見交換会 (17:30~19:00)