第39回研究会(2017年3月14日)ひとの命を守るIT技術
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2017年3月14日 第39回研究会
日時 | 2017年 3月14日(火) 12:30~17:10 (意見交換会 17:20~18:50) |
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場所 | TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原 (東京都千代田区外神田1-7-5 フロントプレイス秋葉原2F) アクセス地図はこちらです |
プログラム
開会挨拶 (12:30~12:40)
『リアルタイム津波浸水被害予測システムの研究開発~防災・減災に資するスーパーコンピューティングの取り組み~』(講演 12:40~13:40)
2011年3月11日の震災から約6年を迎え、東北地方では復興に向けた取り組みにより震災以前の生活を取り戻しつつあるが、この未曾有の震災を経験した被災地の大学として我々研究者ができることは、地震・津波・異常気象等の災害の発生のメカニズムを明らかにし、災害を防ぐ「防災」と災害発生時の被害の最小化を図る「減災」に貢献できる研究成果を社会にいち早く還元することである。
本講演では、計算機科学者、理学研究者、工学研究者、そして自治体等に防災システムを実際に導入している企業の技術者が密接に連携して、関連自治体の協力も得ながら研究開発を進めている世界初のリアルタイム津波浸水被害予測システムについて紹介する。
講師
小林 広明
東北大学大学院 情報科学研究科 教授
プロフィール
1988年東北大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了(工学博士)。その後、東北大学助手、助教授、スタンフォード大学電気工学科コンピュータシステム研究所客員准教授などを経て、2001年に東北大学教授。2008年-2016年サイバーサイエンスセンターセンター長を、2012年-2016年東北大学教育研究評議会評議員をそれぞれ併任。現在、大学院情報科学研究科教授。日本学術会議連携会員。文科省HPCI計画推進委員会委員。専門は、高性能計算機科学、コンピュータアーキテクチャ。
『熱中症リスクの数値シミュレーションによる評価と応用』(講演 13:40~14:40)
ヒトは、太陽光(電磁波)及び高い外気温という熱負荷を受けた際、発汗および血流、呼吸の変化などの体温調整反応により体温を制御している。ヒトに関わる電磁界と熱に関する複合物理解析法、体温調節反応を融合し、計算機上で再現できれば、熱中症のリスク評価、さらには対策の普及や啓発に利用できるはずである。本講演では、実用化に近づいてきたリスク評価法の詳細とその応用例について紹介する。
講師
平田 晃正
名古屋工業大学大学院 工学研究科 教授
プロフィール
1996年大阪大学工学部通信工学専攻卒業。2000年同大学院博士課程了。博士(工学)。
同年同大学院助手。2004年名古屋工業大学大学院准教授を経て、現職に至る。生体電磁気学、計算物理学などに関する研究に従事。国際非電離放射線防護委員会・主委員会委員。IEEE ICES理事。2011,2014年文部科学大臣表彰科学技術賞、2015年 IEEE電磁適合性ソサイエテイ業績賞、2016年ドコモ・モバイル・サイエンス賞など各受賞。IEEEおよび英国物理学会Fellow。
(休憩 10分間)
『セコムの最新のセキュリティサービスについて』(講演 14:50~15:50)
近年、社会を脅かすリスクが増大し、求められるセキュリティサービスへの要望も高度化しています。重大な脅威から社会を守るためには素早く正確な状況把握が不可欠であり、その手段として広域を一望監視できる上空からの俯瞰が非常に効果的です。その一例として、セコムで提供している飛行船・気球、ドローンを利用した上空から監視するサービスについて説明します。また、上空からの脅威に対応するシステムについても紹介します。
講師
尾坐 幸一
セコム株式会社 開発センター
サービスロボット開発グループ統括担当
ゼネラルマネージャー
プロフィール
1967年4月愛知県江南市で生まれ、1992年名古屋大学工学部情報工学科を修了。同年セコム株式会社に入社し、IS研究所画像情報処理研究室に配属となる。画像通信や画像センシングの研究に従事し、2004年センシングシステムグループのGLに就任。画像、音響、電波などのセンシング技術の研究を進める一方、振り込め詐欺対策システム、屋外画像センサ、小型飛行監視ロボットの開発業務も担当した。2016年6月に開発センターのゼネラルマネージャーに就任し、現在に至る。
『Hitachi Visualizationが提供するSafe City ソリューション』(講演 15:50~16:50)
米国において市街や交通を対象として展開されている広域監視システムを紹介します。街に存在している監視カメラ映像を含む様々なデータを統合するクラウドベースのソリューションにより、インテリジェントな対応を可能としています。現在 実際に運用されている状況のご説明と共に、将来に向けた、より安全、快適な環境実現に向け、データ解析を利用していく活動についてもご紹介します。
講師
舛岡 大
Director, Product Management,
Public Safety & Smart City Solutions,
Hitachi Insight Group
プロフィール
大学院卒業後、研究所にて次世代ハードディスクドライブの開発に関わる。その後、大規模ストレージシステムのSEとして米国に赴任、データセンタ・放送システム向けのプロジェクト提案を担う。帰国後、ビデオセキュリティシステムのSEを経て、商品企画やビジネスプラン策定業務に従事。現在は、日立の米国拠点の1つである Hitachi Data Systems にて、パブリックセーフティソリューションの事業展開に携っている。