第33回研究会(2014年3月4日)オープンデータは世界にイノベーションをもたらすか~社会の活性化を導く新たなITの潮流~
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2014年3月4日 第33回研究会
日時 | 2014年 3月4日(火) 13:10~18:00 (意見交換会 18:00~19:30) |
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場所 | 日立マクセル本社ビル 2Fホール (東京都千代田区飯田橋2-18-2) |
プログラム
開会挨拶 (13:10~13:20)
『IoTとオープンデータ』(講演 13:20~14:20)
近年、IoT(Internet of Things)と呼ばれるように、センサー等を搭載した多くの機器がインターネットに接続され、大量のデータを生成するようになりました。一方、これまで政府自治体、また一部民間企業等が保有する公共データを積極的に公開するオープンデータの取組みが、我が国のICTによる成長戦略の重要な政策として進められています。
このように、これまで以上に多くのデータが流通する環境が整いつつあります。本講演では、こうしたIoT、オープンデータの動向、現状、課題などをお話いたします。
講師
越塚 登
東京大学 大学院情報学環 教授
プロフィール
1994年3月 東京大学 大学院理学系研究科 情報科学専攻 博士課程修了、博士(理学)
1994年4月 東京工業大学・助手
1996年7月 東京大学 大学院人文社会系研究科・助教授
1999年8月 同 情報基盤センター・助教授
2006年4月 同 大学院情報学環・助教授
2007年4月 同 准教授
2009年9月 同 教授(現職)
IT戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議構成員/データ・ワーキンググループ主査。
『“データのWeb”を目指す Linked Data の技術とは』(講演 14:30~15:30)
G8でも宣言が採択されたように、オープンデータは今や世界の政府の標準 となりつつあります。オープンデータは使いやすいライセンスとフォーマットが 肝要です。とくにグローバル化、ボーダレス化した今日ではデータもまた相互に関連し合うので、そのような特性に適合したデータのフォーマットが必要です。Linked Data あるいは Linked Open Data (LOD) は相互にリンクができるデータのフォーマットであり、今日のWebが広大な“文書のWeb空間”を作ったように、“データのWeb空間”を作りうるものです。
本講演ではこのLOD技術について概説します。具体的には、LODを構成する言語 (RDF, RDFS, OWL, SPARQL等) 、処理システム、およびアプリケーション等について紹介します。
講師
武田 英明
国立情報学研究所 教授
プロフィール
東京大学工学系研究科博士課程修了後、ノルウェー工科大学、奈良先端科学技術大学院大学を経て現職。この間、東京大学特任教授、大阪大学特任教授を兼任。また特定非営利活動法人リンクト・オープン・データ・イニシアティブ理事長。IT戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議構成員。専門は設計学、人工知能。工学博士。
『オープンデータの利用の現状と課題』(講演 15:40~16:40)
電子行政オープンデータ戦略以降、政府戦略に「経済活性化」の記載が 目立ってきました。これまで利用できなかったデータの利活用を促進することや、データ利用のための新たな技術を構築することを通じて、経済成長のエンジンとして、データの活用が期待されていることが背景にあります。
本講演では、国内外のオープンデータの利用例を中心にビジネス化するための課題等についてお話します。
講師
坂下 哲也
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
電子情報利活用研究部 部長
プロフィール
データベースエンジンやOSに係るシステム化計画の立案、要求定義の作成、基本設計等上流工程の業務に従事した後、平成14年度より財団法人データベース振興センターにて「gコンテンツ流通基盤整備」等の実施責任者を務める。平成20年4月、日本情報処理開発協会(現JIPDEC) 電子情報利活用推進センター 副センター長に就任。平成25年4月より現職。IT戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議データ・ワーキンググループ構成員、ISO IEC JTC1 SC27/WG5エキスパート。
『オープンデータ利活用への民間企業の期待(データ、活用設備、人財)』
(講演 16:50~17:40)
公共データの民間開放として期待が高まっている、公共機関の「オープンデータ」政策は、今後、民間企業活動や地域住民サービスのへのイノベーションを起こすと期待されています。
本講演では、オープンデータへの民間企業の期待と現在の利活用動向を中心に紹介します。また、オープンデータを利活用した新ビジネスやサービスを創出し推進する人財とその教育への期待について述べます。
講師
小池 博
株式会社日立コンサルティング
戦略インキュベーション推進本部ディレクター
プロフィール
1987年日立製作所入社、システム開発研究所にて、日立製品の先行研究に従事後、ITコンサルテーション事業の立ち上げに参加。2007年10月、日立コンサルティングに転属後、EDI/XML/SOAシステムの企画・設計、等のITコンサルティングを推進。業界EDIやXML標準化の委員として活動。現在、日立のビッグデータ事業推進の事務局を担当し、また、日立コンサルティングにてビッグデータやオープンデータを活用した新事業企画と推進の支援をするコンサルテーションチームのとりまとめを担当。IT戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議構成員/データ・ワーキンググループ主査代理。